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伊織と律子の話~その1

復帰にもう少し時間がかかりそうなのでUSBに残ってたものを書き直して

ネカフェにいる数時間で書き直したので誤字脱字はお許しください




「準備はできたかしら?」

「ええ」

「そう、なら言うことは無いわ。」

千早の歌が聞こえる

アイドルマスターという称号が

彼女の元に存在するのだというのを

理解させてしまうその歌が



そしてその歌声によって観客が魅了されているのが

ステージ裏からでもわかってしまう。

「月下祭を歌う千早相手に」

「んっ?」

「満月の夜に戦いを挑む、か……
 ほんと……無謀もいいところね。」

「あら、自信ないわけ?」

律子が挑発してくるが強がりなのだろう
若干声が震えているのがわかる

この半年、やれる事は全てやってきた
恐らく千早と対戦できるのはこれが最初で最後なのだろう

でも、負けるつもりなんて欠片もない

「冗談でしょ?この舞台で千早に勝てば」


私の実力は紛れも無く千早以上と言うことになる 


「まったく、なんでそこまで自信満々なんだか」

まったく何をいっているのだろう

そんなことは決まっている


「当然でしょ、あいつが見に来てるのよ?
 私が、あいつの前で私が負ける訳ないじゃない」


まったくこの子はなんて言いながら律子が軽く頭を抑えている

「私からの指示は一つだけよ、
 伊織あなたの全てを出してきなさい。」






6ヶ月前 オーディション会場



「千早で決まりね。」

千早の歌が始まった瞬間

このオーディションの結果が決まったのを感じた

そして結果がわかってしまった以上もうこの場所に用は無く

私は席を立ち上がる


「伊織ちゃん、もう帰っちゃうの?」

一緒に偵察に来ていたやよいが話しかけてくる

しかしやよいには悪いと思うけれども

ここで見ていても何にもならない


「ええ、もう結果は見えてるもの。」

「でも……」

やよいには分かってもらえないかも知れない、でも……

「千早の歌自体は嫌になるくらい聞いてるもの」

「伊織ちゃん……」

「ごめんねやよい、先に事務所に帰ってるわね。」




あの後私は、特に寄り道することもなく事務所に戻ってきた。

「ただいま。」

「あら伊織、おかえりなさい」

律子がパソコンに向かって作業をしている

「ん……まだ早いんじゃないの?」

確かに最初の予定ではもう少し

時間が掛かると言ってあった


「最後まで見なくたって結果は分かるわよ。」

「そう……、千早の圧勝なのね。」

恐らく律子の事、相手がどこの誰かという所まで覚えていたりするのだろう。

「周りの連中なんて千早と一緒の舞台に
 立ててるだけで満足してるんだもの。」

「勝負になんかなりゃしないわよ。」

「それはまあ……」

「まったくBランク以上のアイドルが揃いも揃って何してるのよ……」

参加資格にBランク以上及び予備予選突破が義務付けられた

6ヶ月、12のオーディションを1シーズンとして行なわれるシリーズ戦

「M@STER GP」

私が先ほどまで偵察していたオーディションはその最終戦であり

アイドルアルティメイトの高視聴率によって生み出された新しい試みの1つだった。

「12戦10勝……負けた2戦とも2位なんて本当に圧倒的よね……」

今にして思う、千早がIUに出ていたらどうなっていたのだろうと

私はアイドルアルティメイトで勝つことができていたのだろうかと


「ねえ」

「なに、伊織?」

「あんたは今の千早に誰が勝てると思う?」

律子が作業を止める

「うーん……今ねえ」

律子が目を閉じて考え始める

数秒ほど考える様子を見せると

目を開け軽くうなずいてから

「……やっぱり真かしら」

そう言った

「あのダンスは十分な武器になるしビジュアルや歌も光るモノがある……、
 千早と張り合えると私は思ってるわ」

その通りだと私も思う

現に千早が落とした2戦は真が、真自身の武器であるダンスによって手にしている


「まあトータルで見るとまだ千早が上だから
 流行なんかも含めて考えないといけないんでしょうけれど」

「後は……現時点では千早に勝てそうなのは……ちょっと思いつかないわ……」

「……」

「スコアアタックによる予選と、その上位6名による決勝。
 この制度がある以上、トータルである程度の実力を持たないアイドルは決勝にも進めない
 まあ一点に特化した長所を持つアイドルの為のオーディションなんかも増えてきてるけど
 千早はまず出ないし、出たとしても歌がメインのオーディションで……誰が勝てるのかしらね」

律子は一気にそう喋るとコーヒーに口を付けて作業を再開する

事務所に律子がパソコンを操作する音が事務所に響き渡り……


「……伊織、どうかした?」

少し深刻な顔をしていたらしい

律子が心配そうにこちらを見ている



「ねえ……、私は……千早に勝てるかしら?」





半年前、IUを勝利した伊織とそのPは十分すぎる実績を手に入れたことで

そのプロデュースの方針を自分たちの実力をじっくり付ける方針にシフトし


M@STER GPに出場しない事を決めた


IUを勝利したという十分すぎる実績がある以上、

オーディションに出ないでも十分仕事は選べるようになっており

半年間という期間に12戦という若干きつめのスケジュールのM@STER GPは

伊織とそのPにとってメリットは少なくデメリットが多かった

本来なら欠場がベストのはずだった



そう、如月千早が圧倒的な実力を見せM@STER GPを勝利しなければ



「伊織が千早に……」


「……無理かしら?」


「……無理でしょうね」


伊織が顔をしかめる

伊織のプロデュース方針は自身の実力を鍛えないと言う訳では勿論ない

例外としてただ一つオーディションで勝つ術を鍛える事は少なくなっていたが

IUで勝利したことで十分すぎる実績は手に入れた以上

仕事が自由に選べる立場であり何もおかしい事はない


「伊織、あなたはアイドルアルティメイトを勝利し
 そこでオーディションを勝つ術をそこで学ぶのを止めてしまっている」

「……」

「でもそれで問題は無かったはずよ、
 ……あなたは何を考えているの?」

「千早のおかげで私の評価が下がった……



 なんてことはないのよ」

「そうね、あなたとIUで戦った雪歩や美希、961の四条さんは
 M@STER GPこそ出場してないけど、大きなオーディションで何度も勝利している」

「ええ、だからこれは私の心の問題」

「……」

「今日のオーディション、私は千早の歌を少し聞いただけだった
 でもそれで                       」
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